本のはなし 18

gogoemipon2006-12-10

[ETC] いやいやいや。

いやもう、12月も1/3クリアです。早いですね。

昨日などは地獄の寒さ、わたしとぐりちゃんは固まる季節です。インファント島では文字通りに師走なHちゃんが帰国するというので英気を養っているところです。

彼女のお嬢さんが大学に入るのもそう遠くなく、ジジババと年越しなどこれから先めったにあることでもないので、という事ですが。でも遊ぼう。



年の瀬といえばミステリ・ベスト。文春ベストが発表になりました。

1位は宮部みゆきの「名もなき毒」未読です。てか、ベスト10作中既読は1冊のみ。読まなくなったな、ミステリ。2作ほど図書館にリクエスト出していて順番も回ったんですが、取りに行けずに流されたのであった。ミステリMLに所属していたころは10作中未読なのは1〜2冊だったんだけどねぇ。新刊本をがんがん買うというのも難しく、当時はみんなで回しあっていたから。今では文庫落ちまでずーっと待ってます。「このミステリがすごい」の方もあまり変わり映えしないラインナップですかねぇ。

さて、そんなランキングは置いといて久々に「本のはなし」です。



「うそうそ」  畠中 恵
廻船問屋・長崎屋の若だんな一太郎は相も変わらず寝込む日々。その上地震で頭に怪我まで負ったため兄松之助とにいや2人をお供に箱根へ湯治に行くことになった。初めての旅に張り切る若旦那だったが、にいや達は姿を消し、誘拐される、天狗は襲う、謎の少女現わる、と旅は波乱のハラハラになっていき…。

今回の旅で、普段からの悩み「こんなに弱くて役に立たない自分」をいっそう考える一太郎の心情が切ない。いつものお布団探偵から一転野外で動く若旦那も新鮮であった。シリーズ第五弾。 シリーズ最初の「しゃばけ」は新潮文庫から出ています。のんびり読むのにいいです。



邪魅の雫」  京極 夏彦
昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が次々とはっきりした関連がないまま重なっていく。薔薇十字探偵社の益田の動きを軸に現れるいつもの面々・・・・。

今か今かと待っているのに現れない榎木津にイライラ。今回は世間に交われない人々の内にこもった思考にだんだんゲンナリしていく。百鬼徒然袋の縦横無尽な榎木津ぶりを期待してるとフラストレーションがたまるかも。京極堂もおとなしめ。それでも久々の京極堂もので、やっぱり面白い。

京極夏彦未読の方にはやたら量が多いし、薀蓄だか屁理屈だか延々語られるし、文庫も分冊版じゃないと持ち歩くのにも不便、ということで好き嫌いが分かれる作家かとは思います。シリーズ第1作の「姑獲鳥の夏」をしのげるかで決まる。2作目の「魍魎の匣」おススメです。

来年こそは月イチ位で「本のはなし」やりたいです。


今日の一枚  「本を読むとねむくなるんだ」