本のはなし 19
[ETC] 寒い。
ここから2ヶ月はつらい季節だわぁ。異常気象でカナダのあたりじゃ暖冬でクマが冬眠に入れない、という話もあるのでちゃんちゃんと寒くなったりは重要である。猫もお布団に来てくれるしね。
さて本のはなし。
「長い冬休み」 アーサー・ランサム
ウォーカー4兄弟、ブラケット姉妹、カラム兄弟の8人を中心に、彼らがすごす休暇の物語。
舞台は小さな帆船をあやつることが出来る湖で、本作は全12作の4作目。短い冬休暇のはずが、ブラケット姉妹の長女がおたふくかぜにかかってしまい、残りの全員も感染しているかハッキリするまで学校に戻れなくなる。思わぬ長い冬休みとなった彼ら、帆をつけたそりで凍った湖を疾走する。
こどもたちの行動や大人たちとの関わりが等身大に描かれていて、魔法や復讐といった小道具なしに日常の冒険をきちんと描いたすばらしいシリーズ。読んでいると彼らの世界にすっと入り込んでしまう。何度読み返しても飽きない。
わたしは絵本は言うにに及ばず、子供の読み物は装丁、紙質、挿絵すべてがひとつの作品だと思うので、いたずらに小型化された出版物はいかがかと思っている。文庫のムーミンはつらい。でも、子供時代読み逃してしまったおとなが手軽に入手できるというメリットがあるのは確かだ。本シリーズはハードカバーのみの出版。ナルニアシリーズのようにせめて岩波少年文庫からという気持ちも。
イギリス湖水地方・ウィンダミア湖が作中の湖のモデルだそうで。いつか訪れてみたい場所のひとつ。ピーターラビットばかりが有名だけどね。
今日の一枚 「行くならあったかいトコ!」