メゾチントって知ってますか 1

[ETC] 何なの、このサムサ(泣)

桜も咲いて暖かくなって穴から這い出してきたのに(涙)

またもやカメがアタマを引っ込めるごとく家に引きこもる。とはいえ丸まって本を読んでいるばかりではイケナイ。版画の下地作りに励む。



銅板画といえばエッチング。と思われる方が多い。一番メジャーな技法だしね。

わたしが好んで作っているのは「メゾチント」と呼ばれるもので、この説明にいつも窮する。なので、今日は写真でご説明〜。

つるつるピカピカの銅板をメゾチント用にするために下準備が必要。

使うのはこんな道具。

先に刃のついたしゃもじのようなもの。幅の広いのや狭いの、いろいろ種類があり、ベルソーあるいはロッカーという。



このベルソーを銅板に乗せて前後に揺らすと、やわらかい銅板にぽつぽつとキズ(?)がつくのだ。



このキズをマクレといい、版全面にびっしりと整然と施すと、この版にインクをつければマクレの隙間に入り込み、紙に刷った時マックロになるわけだ。メゾチントというのは、白地に書き込んでいくエッチングとは正反対にマックロの版から白を出していく、というもの。このマックロにした版のマクレをもう一度削り落としてインクが付かないようにするとそこが白くなるのだ。

画用紙にクレヨンで色をぬりつけ、とがった針などでそのクレヨンをはがしながら絵を描く、というのがあるのをご存知ですか?あんなかんじですねー。



このマクレをビッシリつける作業というのが、まぁ根気が要る。ベルソーをゆらすと少しずつずれながらマクレを作っていくのだが、縦・横・斜めに向きを変えながらひたすら作業・・・。つらい。

だがしかーし。世の中にはホント、いろいろ工夫をこらす方がおられる。

T県にお住まいのT氏というお方が「カンタンにキレイに早く下地を作る道具」を考案なさった。ネットで知ったわたしは早速「私も欲しいです〜」と連絡したところ入手できたのでありました。それがこれ。



刃付きダンベルってカンジ。これを少し斜めにした台に銅板を置き、刃の部分をきちんと乗せて軽くゆするだけでキチキチと同じトーンで美しいマクレを作ってくれる。いやー、こんなラクチンなものはありません。作業中DVDでジョニー・デップなど愛でつつ粛々と。すばらしい。



映画1本見てる間にはかどった銅板(下側)。ピカピカなのが白くなればおっけーです。





次はいよいよこの銅版に図案を彫っていきます。

つづく〜