本のはなし 9

gogoemipon2005-05-13

[BOOKS] なんなんですかっ、この寒さ。5月半ばというにもうっ!にゃんずたちはくっつくし、ひょうたんはサッパリ芽を出さないし。順調に育っていたプランターの野菜たちが心配で窓越しでチェック。しばらく低温が続くらしいのでやきもきである。



「真夜中の神話」 真保 裕一



大学で薬学研究に打ち込んでいた栂原晃子は夫と娘の事故死をきっかけにそれまでと違った「アニマルセラピー研究」に取り組むようになった。インドネシアに赴き国内便に乗り換え、イルカ研究の第一人者の元へ向かう便がジャングルへ墜落。山中の村人に助けられて一命をとりとめた彼女はその村で少女の歌声を聞く。やがて山を下りた晃子はその村が「吸血鬼の村」として恐れられている事を知った。かなり風変わりな設定のサスペンス。アニマルセラピーを単なる心理学的効果としてでなく科学的に解析する部分は興味深い。真保作品は好みで良く読むが本書は地味目かな。偽札作りの「奪取」(講談社文庫)はむちゃくちゃ面白いのでお奨め!



「生首に聞いてみろ」 法月 綸太郎



大病を患った前衛彫刻家の川島伊作は復帰後、愛娘の江知佳をモデルに新作に取り組んでいた。かつて妻をモデルに制作していたシリーズの復活、そして完成。だがその直後川島は急逝し葬儀が終わったとき、何者かに石膏像が切断され首が持ち去られていた。「法月倫太郎」ものとしては何と12年ぶり、長編は10年ぶりという寡作で知られる法月氏だが、本書は本格ミステリにこだわったきっちりしたロジックなので地味な風合いは否めない。玄人受けというか
'05「このミステリがすごい」では堂々の国内編1位。でもなー、ミステリってワクワク感というか「えぇ〜、何で?どうなっちゃうの?ドキドキ」てな部分を求める方なので、これだけ地味〜なのはね〜「ふーん、そーかー」と本を閉じたのだった。



今日の一枚  「ここはあったかいんだー」