本のはなし 12

gogoemipon2005-09-25

[BOOKS] そろそろ平常運転。
久しぶりに「本のはなし」です。もう12回目なのねぇ。

今回のネタにはなってませんが、ルパン映画制作を受けてか平積みされてた新潮文庫「813」「続813」げっと。青少年用しか読んだことがなかった。訳者は何と堀口大学なのねん。文庫初版が昭和34年と来たもんだ。言い回しが古すぎ。こども時代に読んだ数々をきちんと読みたい、と思うもののあまりに訳が古いので閉口。出版社も気合を入れてリニューアルして欲しいもんだ。「モンテ・クリスト伯」岩波文庫)なんか昭和30年だよ、老眼で読むのツライのに字もすっげー小さいぞ。



「デセプション・ポイント」  ダン・ブラウン

大統領命令を受け、北極に飛ぶレイチェル。そこにはNASAが発見した隕石が氷河に埋まっていた。その隕石には生物の化石が含まれている。トラブルを続出させ国家予算を圧迫するNASAがついにとらえた世紀の大発見だった。

旅行中ハードバック2冊を抱え、機内で読む。今回はアカデミックな部分は自然科学分野なので、想像が膨らむ余地はあまりなく、データと事実。どちらかといえばアクション系か?「天使と悪魔」「ダヴィンチ・コード」の間に執筆されたもの。面白くはあったけど、2作があまりに面白く読めたので評価的にはやや下です。



夜のピクニック」  恩田 陸

朝8時から翌朝8時まで、仮眠を挟んで歩く歩行鍛錬祭。高校3年でこれが最後の高校行事となる貴子はある決意を持って臨んだ。
同学年の異母兄弟との確執を軸に高校生達の一夜を描く。ただこの24時間を書いた本書は第26回吉川英治文学新人賞受賞、「本の雑誌」2004年度第1位、第2回本屋大賞受賞。

登場人物がちょっといい子すぎるきらいはあるが、青春小説としては良い出来。昨今の生き死に出さんと語れんのかっ、と突っ込みたくなる諸小説とは格段の差。こういうのを読むといいなぁ共学、と思う女子高出身者である。



「この悪夢が消えるまで -イヴ&ローク<1>-」  J・D・ロブ

21世紀半ばのニューヨーク、高級娼婦が射殺された。前世紀の武器である拳銃は禁制となっている。ニューヨーク市警殺人課女性警部補イヴが捜査の指揮を執る。娼婦が住んでいたビルのオーナーである大富豪ロークを容疑者のひとりとみなし、彼と関わりあいながらイヴの捜査は続く。

現在翻訳で9作、アメリカではすでに19作出版されている本シリーズはラヴ・ロマンスの女王ノーラ・ロバーツの別名義作品である。舞台を近未来に設定しているのがすこし風変わりで、このイヴとロークがしょっちゅうエッチしてるというのがロバーツ色?いちんちじゅうコーヒーばっかり飲んでいる。ストーリーとは別に気になるのがコーヒーマシンでもある「オートシェフ」というシロモノ。冷凍庫とオーブンレンジの合体したものかなぁ。「オートシェフの中身をチェックし」とか出てくるのであらかじめ材料を入れとくんだろうが、チキンスープならまだしもグラタンみたいなのも出てくる。TVディナみたい。それが大富豪ロークんとこにもあるわけで。ドロイドが使用人になるんだからさ、そんなの食べてないでドロイドに作らせればー、と思う。そこがアメリカ人なのよねー、食については。電車の中で読んだりするのには最適なシリーズですよ。



今日の一枚  「ままになるのってこんなかんじ?」